更新履歴

2021/1/19 メギド72+4 今まで同人誌として出したものを追加
2019/5/28 メギド72+1
2019/1/31 メギド72に1つ追加
2018/8/18 開設

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体が吹き飛ばされ、地面に強かに打ち付けられる。口の端に血が滲む。
刃で体を縫い付けられ、身動きがとれなくなる。
空を見上げた視界を埋め尽くすのは、笑みを浮かべた帝国の皇太子殿。
不敵な笑みを浮かべ、こちらを見下ろしてくるその男を睨めつけることしかできない。
「笑え、本当は愉しくて仕方がないのだろう?」
「そんなことない!」
思わず叫び返す。
楽しんでいるだなんて、そんなことあり得ない。
「なぁ、友よ。貴様も俺と同類だ。命を賭した死合の中でしか、生を感じることのできぬ獣」
「私は…ッそんな…」
図星をつかれたような気がして、否定の言葉を言い淀む。
事実、男の言ったことはあながち的外れでもなかった。
蛮神のような人を超えたものたちとの殺るか殺られるかの命懸けの戦いはたまらなく私を興奮させた。
反面、私は半ば諦めていた。神狩りを成し今や英雄とまで呼ばれるようになった私と、対等に戦える人間なんて存在しないと。
私を倒さんと群がってくる兵士たちを斬って、倒す。
それの繰り返し。
斬って斬って斬って斬って斬って…なんの感動もない単純作業。
正直飽き飽きしていた。
それでも、英雄にはそんな感情ふさわしくない
、エオルゼアのためだからと自分を偽りルーチンワークをこなし続けた。
だが目の前の男はどうだろうか?
魔法も使えぬガレアン族であり、超える力も持たぬ人の身でありながら私と対等……それ以上に渡り合ってみせた。
―あぁ、そうか。やっと気づいた。私は戦いが好きなんだ。一方的な狩りじゃなく、死ぬかもしれない殺し合いが好きなんだ。愉しんでいるんだ。
久しく空虚であった心が満たされていくような気がした。
致命的に不利な状況であるにも関わらず、思わず笑みが漏れる。
「そう、その顔だ。いいぞ。それでこそ我が友に相応しい。
立ち上がれ。武器を取れ。この命尽き果てるまで死合うとしようぞ。」

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